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保団連共同研究 「高血圧治療ガイドライン」に引用 開業医の力量示す

 2009年1月16日、改訂された「高血圧治療ガイドライン」(日本高血圧学会)に神奈川県保険医協会が中心に実施した共同研究の成果が引用された。開業医の研究成果が学会ガイドラインに引用されることは類例がほとんどなく、快挙である。

 日本高血圧学会のガイドライン改訂は5年ぶり。今ガイドラインは降圧目標などに大きな変化はないが、第一選択薬が前回の6剤から5剤(Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬)に変更された点や、24時間にわたる血圧管理、家庭血圧を重要視した点が特徴になっている。

 

 このガイドラインに採用された研究は、第17回保団連医療研究集会・医科共同研究の「深呼吸が診察室血圧・脈拍に及ぼす影響について」の追加解析。これは神奈川協会が主務地としてデザインし、全国の開業医会員の協力で集約された3万1千余症例のメガスタディで、いわば開業医医療の結晶。実地医家の高血圧コントロール状況について断面調査の結果を示し、降圧薬の処方動向や降圧目標への達成度などについて、年齢、糖尿病の有無などで分類し、様々な分析を加えたもの。

 

 具体的には「5.コントロール不良および治療抵抗性高血圧の対策 (1)定義と頻度」の項に次のように盛り込まれた。

  「若年者・中年者および糖尿病合併者の降圧目標は、診察室血圧でそれぞれ130/85mmHg未満、130/80mmHg未満であるが、別の断面調査(平均1・4剤服用)では、達成されていた割合はそれぞれ16-19%、11%にすぎなかったことが報告されている。」

 

 神奈川県保険医協会・全国保険医団体連合会(保団連)では、これまで第一線医療の創造を掲げ、医療・学術活動を進めてきたが、その成果であり、意義が大きい。

 

神奈川県保険医新聞より抜粋

(2009年2月15日・第1750号)