神奈川県保険医協会は2009年3月10日、レセプトオンライン請求義務化の問題で鎌倉市医師会と懇談を行った。鎌倉市医師会からは細谷明美会長、長洲堯雄副会長、高井昌彦庶務担当理事、澤田米造財務担当理事が出席。協会からは平尾理事長、高橋副理事長、宮澤理事、小笠原監事と事務局4名が出席した。
今回の懇談は、協会が鎌倉市医師会に懇談を要請し実現。懇談では、まず平尾理事長がレセプトオンライン請求義務化の問題点や訴訟に至った経緯を説明した。義務化の問題点として、高齢医師の閉院や保険診療範囲の制限、レセプトデータの漏えいなどを招く危険性があると指摘。また今回の義務化は、国会等での審議等は行われず、厚労省の省令で決められたことにも触れた。訴訟に打って出た理由としては、これまで度重なる厚労省交渉を行ったが改善に至らず、長期間の協議を経た末の最終手段であることを強調した。
これに対し細谷会長は「オンライン請求は高齢の医師には不可能。義務化されれば辞めてしまう医師もいるだろう」と、義務化へ懸念を表明。訴訟については、敗訴となれば省令による決定で医療現場へ悪影響を及ぼす事例が続くことを危惧し、「裁判には是非、勝って欲しい」とエールを寄せた。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2009年3月25日・第1754号)