2009年11月25日、請求省令が改正され、翌26日から実施となった。これにより、当会をはじめ全国の保険医が要求していた「レセプトオンライン請求義務化」が実質的に撤回された。また、手書き請求の継続も可能となり、「仲間を守る闘い」と位置づけて進めてきたオンライン請求義務化撤回運動は大きな成果を挙げることとなった。
今回の結果は、撤回訴訟を軸にした保険医運動の力で勝ち取ったものであり、会員の先生方のご協力があってこそのもの。感謝を申し上げるとともに、今後の教訓としていくことが重要だ。なお省令改正に対し、入澤原告団幹事長は11月26日、談話を発表、ご一読いただきたい。訴訟の今後については原告団・弁護団会議で検討する予定だ。
会員からは「インターネットの環境が悪く、専用線の準備をしていた。義務化が撤回されて、専用線を敷く費用を支出せずに済んだ」(病院)、「オンラインの準備をしなければならないと考えて悩んでいたが、これで一安心だ」(診療所)、「11月頭に改正省令が出なかったので不安になり、業者に回線敷設の申込をしていたがキャンセルの手続をするよ」(診療所)などの声が寄せられている。
しかし、問題点が無くなったわけではない。レセプトコンピューターを使用して請求している医療機関は、「電子レセプト請求」で行うことが原則となった。電子レセプト請求とは、オンライン請求やフロッピーディスクなどで請求する電算請求のことである。その意味では電子レセプトにより、患者の個人情報がデータベースとして蓄積されることになり、その使われ方には注意する必要がある。
電子レセプト請求の義務化スケジュールの概要
(2009年11月25日付告示・省令による)
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2009年12月5日・第1777号)