神奈川県保険医協会・歯科部会は2011年10月13日、水野智彦議員(衆・民主)を訪問。今年8月の社会保険旬報に掲載された水野議員の論文で、「医療保険財源確保のために、総義歯を医療保険から介護保険に移したらどうか」との発言の真意等について確認した。
水野議員は、自身の論文が歯科の補綴はずしを意図しているわけではないことを強調。あくまで一つの切り口として寄稿したと説明した。協会側は総義歯も含む有床義歯はあくまでも疾病に対する「治療」行為であり、生活支援である「介護」ではない旨を強調。介護保険に移り「現金給付」になれば、限度額を使いきれば自費でサービス購入せざるを得なくなる危険を指摘した。さらに論文中の、「健康保険制度内で総義歯の費用を給付することの矛盾も解決する」との記述について、総義歯が保険給付内となっている現状を「矛盾」と考えているのかと質した。これに対し、水野議員は「『矛盾』とは考えていない」と釈明。また今回の発言の経緯について、現状で歯科医師が介護保険に関われないことも関連していると言及。介護保険に関わるための突破口としても有効だと考えた―と主張した。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2011年11月5日号・第1840号)