神奈川県保険医協会・保険診療対策部は2011年10月20日、池川理事長と藤田理事の連名で、RSウイルス感染症に対する「シナジス(パリミズバブ)」注射の薬剤コストに関して、包括点数である「小児科外来診療料」から項目除外を求める、「出来高算定を認め、小児科診療所に原価割れを強いる仕組み改善を!」とする緊急要望を厚労大臣に提出。また、国会議員や医療関係・マスコミにプレスリリース。日経新聞社会部より照会が寄せられている。
ほぼ全ての点数を包括する「小児科外来診療料」は、初診時(院外処方)でも560点(5600円)。しかし、「シナジス」の薬価は最低で約8万円。該当患者の体重に応じて量が増えるだけでなく、RSウイルス流行が終わる時期まで毎月接種が必要なため、薬剤注射の都度「原価割れ」となる。RSウイルスに関しては、本年冬期の大流行予測に加え、厚労省が10月17日付で医療課長通知を発出。従来、「RSウイルス抗原」検査は入院患者のみ対象だったが、外来(診療所)でも乳児と「シナジス」注射適用者に限り実施可能と変更に。また、RSウイルスに関するマスコミ報道も相次ぎ、世間認知が進んでいる模様で、会員小児科からの問合せも増加傾向にある。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2011年11月5日号・第1840号)