神奈川県保険医協会・政策部は2011年10月14日、「世界に誇れる皆保険制度を守る TPPは医療破壊の決定打」をテーマに医療問題研究会を開催。佐久総合病院地域医療部地域ケア科医長の色平哲郎氏が講演、40名が参加した。
色平氏は、日本の医療市場開放を迫る米国を相手にTPP交渉に臨むにあたって、国が国民皆保険の存続を明言していないことが問題であると指摘。その上で、自身が取り組む農村医療の観点を交え、日本における国民皆保険の重要性を紹介した。また、タイや中国などの諸外国で皆保険の導入がなされるなか、日本の国民皆保険がTPPによって倒れるわけにはいかないと主張した。さらに、氏は日本国民にとって皆保険が当たり前の概念になっていることを指摘。「当たり前」になった時にこそ隙が生じることを訴え、今こそ主権者としての国民の議論が必要になることを強調した。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2011年11月5日号・第1840号)