2012年9月7日、神奈川県保険医協会は神奈川県議会宛てに「准看護師養成の急な廃止の『再考』を求めることに関する陳情」を提出。陳情項目は(1)神奈川県立衛生看護専門学校の准看護学科を当分の間存続すること、(2)県内の准看護師の養成施設に対する運営費補助金を廃止しないこと、の2点。
全国で不足とされている看護師数の約1/4を神奈川県が占めていること、また人口10万対比の看護職員数は神奈川県が全国最下位となっている点を指摘。さらに准看護師の役割や機能は、高次機能病院や慢性期入院を主とする療養型病床、外来を主とする診療所では各々異なり、職種や人員配置についても異なっている点に言及した。
また陳情では、准看護師制度は過去に看護婦制度への統合が提言されながら結果的には実現されずに現在に至っている経緯があり、厚労省の「准看護婦問題調査検討会」が1996年にまとめた報告書では、「21世紀初頭の早い段階を目途に看護婦養成制度の統合に努める」との提言が盛り込まれていたが、一本化に向けた諸条件は未整理となっている現状を指摘。慢性的な看護師不足がある現状で、准看護師養成廃止の議論を早急に進めることで起こる医療現場の秩序崩壊について警鐘を鳴らしている。
(神奈川県保険医新聞より抜粋)