神奈川県保険医協会・地域医療対策部は2011年7月28日、『放射線被ばくの影響をどのように患者に伝えるか~妊娠中・乳幼児を持つ親への対応~』をテーマに地域医療学習会を開催。元神奈川県立こども医療センター所長・黒木良和氏を講師に迎え、69名が参加した。
黒木氏は臨床遺伝専門医として、「難病のこども支援全国ネットワーク」にて妊娠中や子どもをもつ親からの電話相談に対応。国際放射線防護委員会(ICRP)を判断基準とした相談事例への回答を紹介した。年間100ミリシーベルト以下の被曝で有意の発がん増加は確認されていないこと、しかし放射線の影響は確率的影響でしきい値はなく低線量被曝でも発がん確率は上がる、ただその影響は極めて小さく多くの発がん要因の中で疫学調査では確認できない、今後は内部被ばくをいかに防ぐかが主眼になっていく―など解説した。
神奈川県保険医新聞より抜粋
(2011年8月25日号・第1833号)