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混合診療問題ニュース6 「混合診療“全面解禁”は官邸と財務省だけ! 連合も健保連も、みな『反対』です!」

財界は、軽度の医療行為は保険から外すと主張!?

 医療保険の効かない医療を増やす、「混合診療」。これを誰が歓迎しているのでしょうか。右の表にみるように、この混合診療の“全面解禁”を主張しているのは、首相と財界トップが中心メンバーの経済財政諮問会議や規制改革会議それと財務省だけです。

 医療関係者は、「いつでも、どこでも、誰でも」医療が受けられる国民皆保険制度が崩壊すると、こぞって「反対」しています。

 また、医療保険に責任をもつ、厚生労働省も明確に「反対」を表明しているほか、医療関係者と、しばしば対立する健保連(健康保険組合連合会:大企業の医療保険組合のグループ)さえも「反対」しています。
更には、最大大手の労働組合、「連合」も、「所得によって受けることができる診療に格差が生じ、患者負担の  増大を招く懸念がある」と解禁「反対」との立場です。10月15日、日本がん患者団体協議会は厚労大臣に対し要望書を提出しました。この中で過去に多くの患者会より混合診療“解禁”を望む声が出ていたが、「国民皆保険制度は世界に誇れる良い制度」であり、これを守る必要を感じているとし、専門家や患者団体を交えた検討会の設置を要望し、従来の見解から、慎重姿勢へと変化をみせています。表にはありませんが。与党の国会議員の間にも「反対」の声は出ています。

 WHO (世界保健機構)は日本の医療保険制度は世界一と評価しています。保険診療と自由料金診療の「混合診療」では、新しい癌治療の技術や抗がん剤を希望する時は負担が高額になるため、民間の保険の加入が必要となります。セコム、オリックス、アメリカンファミリーなどはすでに混合診療「解禁」を見越して「保険商品」を発売しています。金の切れ目が命の切れ目となります。

■ 「混合診療」への首相官邸、財務省、厚生省、患者、医療団体のスタンス

小泉首相

●「全面解禁」

年内結論で指示

経済財政諮問会議

●「全面解禁」

混合診療解禁は今年中に結論。公的健康保険の対象から軽度な医療行為を外す。

規制改革・民間推進会議

●「全面解禁」

特定療養費の拡大では不十分

財務省

●「全面解禁」

同省幹部:「医療サービス・技術の拡充に公的保険だけでは扱えない」

厚生労働省

▲「全面解禁」反対

特定療養費拡大で対応

 ※内保連・外保連にポジティブリスト提出を要請

患者団体(日本がん患者団体協議会)

★「慎重」論 <皆保険制度の充実>

厚労省宛に要望書を提出⇒患者団体を入れた検討会開催

 「未承認薬を安価で購入したいが、根拠のない治療拡大は困る」

健保連

▲「全面解禁」反対 (04年10月23日朝日新聞)

個々の問題や分野ごとに一定のルールを決めて解決が望ましい(01年9月「意見書」)

連合(日本労働組合総連合会)

▲「全面解禁」反対 (04年10月27日に電話確認)

「医師の裁量権の拡大によって患者の安全性の確保が危ぶまれること、所得によって受けることができる診療に格差が生じ患者負担の増大を招く懸念があることから、解禁すべきではなく現行の特定療養費制度の枠内で、患者本位の視点に立って対応する」

日本医師会

▲「全面解禁」反対 <混合診療では皆保険が崩壊する>

⇒特定療養費拡大で対応

 ※医療者・市民団体による「国民医療推進協議会」を設置

内科系保険学会連合(内保連)

▲「全面解禁」反対

ポジティブリスト提出「拒否」

外科系保険学会連合(外保連)

▲「全面解禁」反対

ポジティブリスト提出「拒否」

日本歯科医師会

▲「全面解禁」反対

「混合診療」は傲慢な改悪」(岡・大阪府歯会長)
日本薬剤師会▲「全面解禁」反対
日本看護協会▲「全面解禁」反対

四病院団体協議会(四病協)

(全日本病院協会・日本医療法人協会・日本精神科病院協会・日本病院会)

▲「全面解禁」反対

保険適用拡大前提の「特定療養費拡大」で対応
神奈川県保険医協会・保団連

▲「全面解禁」反対

特定療養費の拡大「反対」

 (2004年11月5日)