植松・日医会長 特療での解決に苦言
内保連は11月22日付けの文書で、再び傘下の加盟学会に対し、「ポジティブリスト」の提出を求めていたことが明らかとなった。
この問題を巡っては、10月22日時点でポジティブリストの厚労省への提出を「拒否」としていたが、この文書(下参照)では「保留」としている。また、情勢を模様眺めし「最も適切な時点」で厚労省に提出するとし、12月3日を期限としている。
10月22日時点では、混合診療賛成の加盟学会は「一つもない」と発表。11月1日には加盟70学会のうち半数以上からリストの提出があったことを明らかにしていたが、「内容は、現時点では公表しない」としていた。しかし、今回、各学会に参考資料として既に提出されたリストを送付している。
尚、この文書は各学会の担当委員、全てには送付されていない。
これとは別で11月20日、植松・日医会長は名古屋市での講演で、混合診療解禁の反対運動と、特定療養費制度の見直しは別問題と説き、同制度の内容整理は「落としどころ」ではないと強調。皆保険堅持のための「解禁」反対であり医療費総枠の拡大を国民のために「胸を張って」主張するとした。
混合診療反対署名600万人分を提出
衆参両院で採択 与野党が賛成
日医が中心となって実施した混合診療反対の請願署名は600万人分が国会に提出され12月2日、参議院厚生労働委員会で全会一致で採択された。本日の参議院本会議で採択予定。衆議院は、厚生労働委員会理事懇で、採択の方向で意見がまとまり、正式には本日午前の委員会、午後の本会議で採択される予定だ。
首相の所信表明(混合診療解禁)を否定する請願が全会一致で採択されるのは前代未聞。混合診療の全面解禁には健保法の改定は必須であり、今後に与える影響は大きい。
内保連がポジティブリストの「再提出」を求めた文書(抜粋) ※着色字と太ゴシック字は編集部
内科系学会社会保険連合(内保連)加盟学会 各位 内保連 担当委員 各位
(前文・略) 過日は、厚生労働省の意向を受けて「保険収載されていないが診療上必要な医療行為」、いわゆるポジティブリスト提出をお願いしたところ、時間的に締め切りまで大変短い時間で取りまとめをお願いしたにもかかわらず、多数の学会からリストをご提出頂きました。しかしながら既に報道等でご存じの様に現在、規制改革・民間開放推進会議側と厚生労働省および日本医師会側とが混合診療の解禁を巡って厳しく対峙しており、現時点で厚生労働省にこのリストを提出することが内保連の意図しない方向に利用されたり、混合診療に対する内保連の姿勢について誤解を招く可能性があるとのご指摘を頂きました。その様な現状を踏まえて、ご提出頂いたリストの提出は現時点で保留して居ります。一方、混合診療解禁の問題は遅くとも本年12月中には何らかの形で決着し、診療上重要な保険未収載の項目の取り扱いも「特定療養費」として認可するなどの方向が出されるものと思われます。 内保連としては情勢をにらみつつ最も適切な時点で、各学会からのリストを厚生労働省に提出したいと考えて居り、12月上旬をめどにこれをとりまとめる予定です。つきましては、リストを未提出であるもののポジティブリストに該当する診療項目をお持ちの学会、あるいは既にリストを提出して居られるものの追加や修正がある学会におかれては、来る12月3日(金)までに内保連事務局 杉山までご提出頂きたいと存じます。ご参考までに、すでに提出されておりますリストを同封いたします。
(以下、略)
平成16年11月22日 内科系学会社会保険連合
代 表 斉藤 寿一 事務局 杉山 弘 |
(2004年12月3日)