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政府・番号制シンポ in 神奈川が開催されました

 2012年2月26日、社会保障・税に関わる番号制度(以下:番号制)に関する政府主催のシンポジウムが横浜市中区のかながわ労働プラザで開催されました。このシンポは、番号制について国民の理解と直接対話を目的に、昨年5月から政府が地元新聞社と共催で全国47都道府県で開催中。折しも今回の神奈川会場は番号制法案(マイナンバー法案)の上程後、初のシンポとなりました。

 当日は市民など約200名が参加。協会からは藤田理事と事務局員が参加しました。

(以下:2012年3月15日号 神奈川県保険医新聞より)


 

「漏洩が心配」、「曖昧で分からない」 会場から反対意見が噴出

 

 パネリストは政府官僚、有識者、財界、税理士、弁護士など6名。内閣官房参与の峰崎直樹氏は、社会保障・税の公平・公正のためにも番号制が必要なインフラと強調。国民周知が不十分な点を改善し、「マイナンバーという呼称を浸透させたい」とした。慶應大学の新保史生准教授は、番号制の導入を前提に個人情報保護の強化が必要と指摘。県経営者協会の高橋忠生氏は、番号制の早期導入と民間での利用促進を要望した。東京地方税理士会の中村重和氏は、番号制導入に賛同しつつも、税務と社会保障分野は現金給付に限定して利用開始すべきと主張した。

 

 パネリストの中で唯一異を唱えた日弁連の水永誠二氏は、制度目的が不明瞭、費用対効果が不明、プライバシー侵害のリスク軽視など指摘。番号制はあらゆる点からも失当として、法案の撤回を求めた。

 

推進派のお粗末な回答に失笑も

  

 番号制の推進が優勢だったパネルディスカッションから一転、フロア討議では参加者から反対意見が噴出。発言者は20名を超え、終了予定時間を1時間以上も超過するほど白熱した。

 

 フロアからの賛成意見は1件のみ。残りは全て反対・慎重意見が占めた。その多くは、制度内容の不明瞭さ、情報漏洩や不正利用対策の脆弱さを追求するもの。番号制開始時に配布されるICカードの券面に番号が印字されることで、漏洩・不正の危険性の拡大を指摘した発言に対し、あるパネリストは「券面の裏側に印字するよう検討している」と珍回答。会場から失笑が漏れる始末だった。

  

 その他、法文に捜査等の司法利用が盛り込まれたことへの不審、利便性が行政事務に多大で国民には皆無であることを指摘する発言があった。

 

 神奈川県保険医協会からも2名が発言。総合合算制度の制度概要が不明瞭で、給付抑制の制度に変容する恐れがあると指摘。また、番号制が経済弱者の受診抑制や保険未加入状態を解消するのか追求した。

 

 政府側は多くのフロア発言に対し明確な回答はできず、「今後の検討課題とする」との回答に終始した。なお、シンポの模様は翌日の神奈川新聞が報道した。

 

当日の会場の模様はこちら