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解説 「協会からのご提案 マイナンバーが記載された住民税通知書の保管・管理等の対応について(医療機関・小規模事業者向け)」

はじめに

 この間、協会は「住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)」(以下:特徴通知書)へのマイナンバー記載の問題について、保険医新聞で継続的に報道・問題提起し、記載中止を求めて自治体陳情や総務省要請など精力的に運動を展開しました。その結果、神奈川県内では藤沢市、厚木市、葉山町が住民の個人情報保護を優先し、「記載しない」、「下4桁のみ記載」との対応をするなど、一定の成果を上げました。しかし残りの30市町村は「法令順守」を理由に、特徴通知書に従業員のマイナンバーを記載し、5月中に送付しました。

 住民税の給与天引きにマイナンバーは必要としないにも関わらず、一方的にマイナンバーを記載し送付することは、医療機関(小規模事業者)に管理責任を押し付けるものです。また、年末調整時にマイナンバーの提供を拒否した従業員にとっては、自らの意思に関係なくマイナンバーが勤務先に知られることになり、これはプライバシー侵害に他なりません。しかし、すでに多くの医療機関(小規模事業者)には、従業員のマイナンバーが記載された特徴通知書が届き、保管・管理方法や従業員への対応などで苦慮している先生方も少なくないと思います。

 

 そこで、医療機関(小規模事業者)のマイナンバー管理の負担を無くし、従業員のプライバシーを守る以下の対応術をご提案します。

 

1) 従業員に説明する

 はじめに、従業員のマイナンバーが、なぜ、どのように医療機関に届いたのか、その経緯を従業員に説明します。その上で、医療機関(事業者)としては従業員のプライバシーに配慮し、次の2) の方法でマイナンバーを消すことを伝えます。

 その際、従業員の理解と同意を得ることが何よりも大切です。

[POINT]

口頭説明だけでなく、文書を渡すと理解・同意が得られやすいでしょう (例文参照・医療機関向け)

 

2) 通知書からマイナンバーを消す

 特徴通知書に記載されたマイナンバーを、▽マジック等で黒塗りにする、▽色付きのテープを貼る―などのマスキングを施し、マイナンバーが判読不可能な状態にします。マスキングすることでの罰則などはありません。

tokuchou.jpg

 ただし、この方法だと、▽裏から透ける、▽テープが剥がれると見えてしまう―など、完全に判読不可能な状態にしたとは言い切れません。そこで、協会は以下の方法を提案します。

[POINT]

① マイナンバーを黒塗りした特徴通知書をコピーする

② コピーを保管し、黒塗りした特徴通知書は廃棄する

 

 税法上、特徴通知書の保管義務や保管期間の定めはありません。よって、給与から天引きする住民税の納税額さえ把握(記録)しておけば、特徴通知書そのものを保管する必要はありません。なお、特徴通知書を廃棄する際は、シュレッダーにかけるなど、マイナンバーを判読不可能な状態にして廃棄しましょう。

   


[注]

*1) この対応術は、昨年の年末調整時に従業員からマイナンバーを収集せず、市町村に提出した給与支払報告書にマイナンバーを記載しなかった医療機関(事業者)などが対象となります。現時点でマイナンバー実務を実施している場合(従業員のマイナンバーを収集、マイナンバーの保管・安全管理措置などを実施、給与支払報告書にマイナンバーを記載して提出…など)は対象となりません。

*2) マイナンバーを消去せずそのまま保管する医療機関(事業者)は、個人情報保護委員会が策定した「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に基づき、厳格な保管・安全管理措置を実施する必要があります。

 


[参考]平成29年度住民税特別徴収税額通知書の取扱いについて(神奈川県下33市町村)

(2017年5月、神奈川県保険医協会調べ)*備考は随時更新中

市町村

マイナンバー記載の有無

送付方法

備考

横浜市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.8記者発表資料)

川崎市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.2報道発表資料)

2回目の通知書誤送付が発覚(2017.6.14報道発表資料)

相模原市

記載する

特定記録郵便

 

横須賀市

記載する

普通郵便

 

平塚市

記載する

普通郵便

 

鎌倉市

記載する

簡易書留

 

藤沢市

記載しない

普通郵便

 

小田原市

記載する

簡易書留

 

茅ヶ崎市

記載する

普通郵便

 

逗子市

記載する

簡易書留

 

三浦市

記載する

普通郵便

 

秦野市

記載する

簡易書留

 

厚木市

記載しない

普通郵便

 

大和市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.5付)

伊勢原市

記載する

簡易書留

 

海老名市

記載する

普通郵便

 

座間市

記載する

普通郵便

 

南足柄市

記載する

普通郵便  

綾瀬市

記載する

簡易書留

通知書の誤送付が発覚(2017.6.8付)

葉山町

記載しない(下4桁のみ表示)

普通郵便

協会陳情趣旨了承

国へ意見書を提出(2017年3月14日付)

寒川町

記載する

普通郵便

 

大磯町

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.12付)

二宮町

記載する

普通郵便

 

中井町

記載する

普通郵便

 

大井町

記載する

簡易書留

 

松田町

記載する

普通郵便

協会陳情趣旨採択

山北町

記載する

普通郵便

 

開成町

記載する 簡易書留  

箱根町

記載する

簡易書留

 

真鶴町

記載する

普通郵便

 

湯河原町

記載する

普通郵便

 

愛川町

記載する

簡易書留

 

清川村

記載する

普通郵便

協会陳情趣旨採択

 

はじめに

 この間、協会は「住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)」(以下:特徴通知書)へのマイナンバー記載の問題について、保険医新聞で継続的に報道・問題提起し、記載中止を求めて自治体陳情や総務省要請など精力的に運動を展開しました。その結果、神奈川県内では藤沢市、厚木市、葉山町が住民の個人情報保護を優先し、「記載しない」、「下4桁のみ記載」との対応をするなど、一定の成果を上げました。しかし残りの30市町村は「法令順守」を理由に、特徴通知書に従業員のマイナンバーを記載し、5月中に送付しました。

 住民税の給与天引きにマイナンバーは必要としないにも関わらず、一方的にマイナンバーを記載し送付することは、医療機関(小規模事業者)に管理責任を押し付けるものです。また、年末調整時にマイナンバーの提供を拒否した従業員にとっては、自らの意思に関係なくマイナンバーが勤務先に知られることになり、これはプライバシー侵害に他なりません。しかし、すでに多くの医療機関(小規模事業者)には、従業員のマイナンバーが記載された特徴通知書が届き、保管・管理方法や従業員への対応などで苦慮している先生方も少なくないと思います。

 

 そこで、医療機関(小規模事業者)のマイナンバー管理の負担を無くし、従業員のプライバシーを守る以下の対応術をご提案します。

 

1) 従業員に説明する

 はじめに、従業員のマイナンバーが、なぜ、どのように医療機関に届いたのか、その経緯を従業員に説明します。その上で、医療機関(事業者)としては従業員のプライバシーに配慮し、次の2) の方法でマイナンバーを消すことを伝えます。

 その際、従業員の理解と同意を得ることが何よりも大切です。

[POINT]

口頭説明だけでなく、文書を渡すと理解・同意が得られやすいでしょう (例文参照・医療機関向け)

 

2) 通知書からマイナンバーを消す

 特徴通知書に記載されたマイナンバーを、▽マジック等で黒塗りにする、▽色付きのテープを貼る―などのマスキングを施し、マイナンバーが判読不可能な状態にします。マスキングすることでの罰則などはありません。

tokuchou.jpg

 ただし、この方法だと、▽裏から透ける、▽テープが剥がれると見えてしまう―など、完全に判読不可能な状態にしたとは言い切れません。そこで、協会は以下の方法を提案します。

[POINT]

① マイナンバーを黒塗りした特徴通知書をコピーする

② コピーを保管し、黒塗りした特徴通知書は廃棄する

 

 税法上、特徴通知書の保管義務や保管期間の定めはありません。よって、給与から天引きする住民税の納税額さえ把握(記録)しておけば、特徴通知書そのものを保管する必要はありません。なお、特徴通知書を廃棄する際は、シュレッダーにかけるなど、マイナンバーを判読不可能な状態にして廃棄しましょう。

   


[注]

*1) この対応術は、昨年の年末調整時に従業員からマイナンバーを収集せず、市町村に提出した給与支払報告書にマイナンバーを記載しなかった医療機関(事業者)などが対象となります。現時点でマイナンバー実務を実施している場合(従業員のマイナンバーを収集、マイナンバーの保管・安全管理措置などを実施、給与支払報告書にマイナンバーを記載して提出…など)は対象となりません。

*2) マイナンバーを消去せずそのまま保管する医療機関(事業者)は、個人情報保護委員会が策定した「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」に基づき、厳格な保管・安全管理措置を実施する必要があります。

 


[参考]平成29年度住民税特別徴収税額通知書の取扱いについて(神奈川県下33市町村)

(2017年5月、神奈川県保険医協会調べ)*備考は随時更新中

市町村

マイナンバー記載の有無

送付方法

備考

横浜市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.8記者発表資料)

川崎市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.2報道発表資料)

2回目の通知書誤送付が発覚(2017.6.14報道発表資料)

相模原市

記載する

特定記録郵便

 

横須賀市

記載する

普通郵便

 

平塚市

記載する

普通郵便

 

鎌倉市

記載する

簡易書留

 

藤沢市

記載しない

普通郵便

 

小田原市

記載する

簡易書留

 

茅ヶ崎市

記載する

普通郵便

 

逗子市

記載する

簡易書留

 

三浦市

記載する

普通郵便

 

秦野市

記載する

簡易書留

 

厚木市

記載しない

普通郵便

 

大和市

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.5付)

伊勢原市

記載する

簡易書留

 

海老名市

記載する

普通郵便

 

座間市

記載する

普通郵便

 

南足柄市

記載する

普通郵便  

綾瀬市

記載する

簡易書留

通知書の誤送付が発覚(2017.6.8付)

葉山町

記載しない(下4桁のみ表示)

普通郵便

協会陳情趣旨了承

国へ意見書を提出(2017年3月14日付)

寒川町

記載する

普通郵便

 

大磯町

記載する

普通郵便

通知書の誤送付が発覚(2017.6.12付)

二宮町

記載する

普通郵便

 

中井町

記載する

普通郵便

 

大井町

記載する

簡易書留

 

松田町

記載する

普通郵便

協会陳情趣旨採択

山北町

記載する

普通郵便

 

開成町

記載する 簡易書留  

箱根町

記載する

簡易書留

 

真鶴町

記載する

普通郵便

 

湯河原町

記載する

普通郵便

 

愛川町

記載する

簡易書留

 

清川村

記載する

普通郵便

協会陳情趣旨採択