神奈川県保険医協会とは
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2011/12/13 政策部長談話「唖然、▲2.91%の診療報酬改定要求! 財務省の横暴許さず 民主党に医療費総枠拡大の公約遵守を求める」
唖然、▲2.91%の診療報酬改定要求!
財務省の横暴許さず
民主党に医療費総枠拡大の公約遵守を求める
神奈川県保険医協会
政策部長 桑島 政臣
財務省は12月9日、2012年度診療報酬の▲2.91%改定を厚労省に求めた。東日本大震災のもと、日医の改定延期要求をはじめ、当会や愛知県医師会など少なくない医療団体が、復興優先の観点から改定延期、慎重にと主張したにもかかわらず、これを逆手にとり、被災地に冷水を浴びせるがごとき財務省の対応に、われわれは怒りを禁じえない。野田首相は党代表選で「医療費のマイナスはない」と断言しており、巧言令色、開いた口がふさがらない。民主党は2009年のマニフェストで先進国平均水準の医療費総枠拡大を掲げ、政権交代を果たした。前回のプラス0.19%は改定率の枠外引き下げで、"幻"に終わった。改定を断行するなら、プラス改定とし公約を遵守するよう強く求める。
折しも、12月8日の西日本新聞が1面トップで、「仕分け 官僚が『指南』 発言案を作成、提供 社会保障 財務省の意向反映」との記事をスクープ。11月の政策仕分けが、財務省の「台本」による茶番である証拠が暴露された。9日の記者会見で蓮舫行政刷新相も財務官僚の書いた"アンチョコ"があったことを認めている。
今回の仕分けで財務省はマイナス改定を提言。医療機関の事業所得を院長給与とする誤った資料を相変わらず提出し、比較にならない勤務医給与と対比し、病診の診療報酬格差と強引に結論づける、荒唐無稽な議論が繰り返されている。前回、厚労省がその間違いをホームページで公式に正したにもかかわらず、財務省の厚顔無恥は甚だしく、呆れ果てる。
財務省の吉田政務官は賃金・物価動向をあげ「実質、据え置き」と放言している。人事院勧告(▲1.7%)と消費者物価指数(▲0.5%)、人件費と物品費の医療費構成割合(5:5)を踏まえ計▲1.1%とし、本体▲1%で同水準と解釈したようだが、正しくない。改定率とは本体と薬価、医療材料の合計をいうのであり、これは何も理解していない。財務省の要望は、本体▲1%、薬価▲1.23%、医療材料▲0.09%の合計▲2.32%(▲9,000億円)。これに加え、前回同様、改定率の枠外で医薬品の長期収載品の引き下げ2,400億円(▲0.59%)が挙げられており、実質▲2.91%(▲1兆1,400億円)となっている。野田首相の発言や民主党公約とは天と地の差である。
既に当会が指摘しているように、外来管理加算の想定外削減分は4年間で4,000億円(▲0.98%)に上っており、この復元は最低必要な措置であり+0.99%改定となる。加えて減額理由が消失した再診料の復元150億円(+0.04%)は「当たり前」である。つまり、合計+1.03%改定が出発点である。
中医協医療経済実態調査は改定の際の論拠となるはずだが、保険収入がマイナスになろうが、収支差額がマイナスになろうが、費用削減が限界になろうが、98年度改定以降、一貫してマイナス改定であった。また81年度改定から反故とされた賃金・物価スライド制を、この間は我田引水的に言い募り、作為的資料で誤魔化し議論誘導する、いい加減さが極まっている。医療経済実態調査の階級度数分布、最頻値、中央値は前回からなぜか隠されてしまい、公表されなくなってさえいる。こんな馬鹿な話はいつまで続くのだろうか。改定率の事後検証は未だなされておらず、その実効性は依然と不明である。
医療崩壊からの脱却、医療再生には医療費総枠拡大が必須である。東北の被災3県は医療機関の再建に必死である。生活が第一、公約順守で、民主党は尽力されるよう改めて要望する。
2011年12月13日
民主党政策集INDEX2009 医療政策<詳細版>
診療報酬
●地域医療を守る医療機関を維持 累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます。まず、医師確保などを進め、看護師、医療クラーク、医療ソーシャルワーカー、医療メディエーター、補助者などの増員に努め、地域医療を守る医療機関の入院については、その診療報酬を増額します。その際、患者の自己負担が増えないようにします。4疾病5事業を中核的に扱う公的な病院(国立・公立病院、日赤病院、厚生年金病院等)を政策的に削減しません。中医協(中央社会保険医療協議会)の構成・運営等の改革を行います。 (*下線部分は当会でつけたもの) |
[参 考] 総医療費対GDP比 (OECD Health Data 2011) ・日本 ・・・ 8.5% ・OECD平均 ・・・ 9.5%
日本がOECD平均となるためには、 医療費はプラス11.7%の引き上げ改定が必須 |
唖然、▲2.91%の診療報酬改定要求!
財務省の横暴許さず
民主党に医療費総枠拡大の公約遵守を求める
神奈川県保険医協会
政策部長 桑島 政臣
財務省は12月9日、2012年度診療報酬の▲2.91%改定を厚労省に求めた。東日本大震災のもと、日医の改定延期要求をはじめ、当会や愛知県医師会など少なくない医療団体が、復興優先の観点から改定延期、慎重にと主張したにもかかわらず、これを逆手にとり、被災地に冷水を浴びせるがごとき財務省の対応に、われわれは怒りを禁じえない。野田首相は党代表選で「医療費のマイナスはない」と断言しており、巧言令色、開いた口がふさがらない。民主党は2009年のマニフェストで先進国平均水準の医療費総枠拡大を掲げ、政権交代を果たした。前回のプラス0.19%は改定率の枠外引き下げで、"幻"に終わった。改定を断行するなら、プラス改定とし公約を遵守するよう強く求める。
折しも、12月8日の西日本新聞が1面トップで、「仕分け 官僚が『指南』 発言案を作成、提供 社会保障 財務省の意向反映」との記事をスクープ。11月の政策仕分けが、財務省の「台本」による茶番である証拠が暴露された。9日の記者会見で蓮舫行政刷新相も財務官僚の書いた"アンチョコ"があったことを認めている。
今回の仕分けで財務省はマイナス改定を提言。医療機関の事業所得を院長給与とする誤った資料を相変わらず提出し、比較にならない勤務医給与と対比し、病診の診療報酬格差と強引に結論づける、荒唐無稽な議論が繰り返されている。前回、厚労省がその間違いをホームページで公式に正したにもかかわらず、財務省の厚顔無恥は甚だしく、呆れ果てる。
財務省の吉田政務官は賃金・物価動向をあげ「実質、据え置き」と放言している。人事院勧告(▲1.7%)と消費者物価指数(▲0.5%)、人件費と物品費の医療費構成割合(5:5)を踏まえ計▲1.1%とし、本体▲1%で同水準と解釈したようだが、正しくない。改定率とは本体と薬価、医療材料の合計をいうのであり、これは何も理解していない。財務省の要望は、本体▲1%、薬価▲1.23%、医療材料▲0.09%の合計▲2.32%(▲9,000億円)。これに加え、前回同様、改定率の枠外で医薬品の長期収載品の引き下げ2,400億円(▲0.59%)が挙げられており、実質▲2.91%(▲1兆1,400億円)となっている。野田首相の発言や民主党公約とは天と地の差である。
既に当会が指摘しているように、外来管理加算の想定外削減分は4年間で4,000億円(▲0.98%)に上っており、この復元は最低必要な措置であり+0.99%改定となる。加えて減額理由が消失した再診料の復元150億円(+0.04%)は「当たり前」である。つまり、合計+1.03%改定が出発点である。
中医協医療経済実態調査は改定の際の論拠となるはずだが、保険収入がマイナスになろうが、収支差額がマイナスになろうが、費用削減が限界になろうが、98年度改定以降、一貫してマイナス改定であった。また81年度改定から反故とされた賃金・物価スライド制を、この間は我田引水的に言い募り、作為的資料で誤魔化し議論誘導する、いい加減さが極まっている。医療経済実態調査の階級度数分布、最頻値、中央値は前回からなぜか隠されてしまい、公表されなくなってさえいる。こんな馬鹿な話はいつまで続くのだろうか。改定率の事後検証は未だなされておらず、その実効性は依然と不明である。
医療崩壊からの脱却、医療再生には医療費総枠拡大が必須である。東北の被災3県は医療機関の再建に必死である。生活が第一、公約順守で、民主党は尽力されるよう改めて要望する。
2011年12月13日
民主党政策集INDEX2009 医療政策<詳細版>
診療報酬
●地域医療を守る医療機関を維持 累次の診療報酬マイナス改定が地域医療の崩壊に拍車をかけました。総医療費対GDP比をOECD加盟国平均まで今後引き上げていきます。まず、医師確保などを進め、看護師、医療クラーク、医療ソーシャルワーカー、医療メディエーター、補助者などの増員に努め、地域医療を守る医療機関の入院については、その診療報酬を増額します。その際、患者の自己負担が増えないようにします。4疾病5事業を中核的に扱う公的な病院(国立・公立病院、日赤病院、厚生年金病院等)を政策的に削減しません。中医協(中央社会保険医療協議会)の構成・運営等の改革を行います。 (*下線部分は当会でつけたもの) |
[参 考] 総医療費対GDP比 (OECD Health Data 2011) ・日本 ・・・ 8.5% ・OECD平均 ・・・ 9.5%
日本がOECD平均となるためには、 医療費はプラス11.7%の引き上げ改定が必須 |