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TOP > 神奈川県保険医協会とは > 私たちの考え > 2021/11/29 政策部長談話 「経営悪化に拍車 損益率『赤字』が病院6割超、診療所4割超 地域医療体制を守る診療報酬は『プラス改定』が道理」

2021/11/29 政策部長談話 「経営悪化に拍車 損益率『赤字』が病院6割超、診療所4割超 地域医療体制を守る診療報酬は『プラス改定』が道理」

経営悪化に拍車 損益率「赤字」が病院6割超、診療所4割超

地域医療体制を守る診療報酬は「プラス改定」が道理

 

神奈川県保険医協会

政策部長  磯崎 哲男

 


 

 第23回医療経済実態調査が11月24日公表され、「コロナ禍の病院、補助金頼りの黒字確保」(朝日新聞)、「一般病院、6.9%の赤字 コロナ補助金で黒字化、厚労省」(共同通信)、など報じられた。後藤厚労大臣も同日の記者会見で、令和2年度の一般病院の「損益率」は新型コロナ関係の補助金を含めないと令和元年から悪化しており、補助金を含めても黒字は非常に僅かで、医療法人の一般病院は補助金を含めても4割超が赤字と、ポイントを強調している。

 来年4月の診療報酬改定は、この医療経済実態調査を基礎資料とし年末の予算編成で、「改定率」が決まることになる。早くも健保連など保険者側は「診療報酬を引き上げる環境にない」との要請書を厚労省へ提出した。これに財務省も11月初旬からマイナス改定を主張し、足並みを揃えている。

 しかし、現下の状況は一時的な補助金でなんとか命を繋ぎ壊滅的状況を免れたにすぎず、保険診療を安定的に運営していく状況にはない。コロナ禍、全ての医療機関が、その機能と役割に応じ、面として地域医療を担ってきた。われわれは、地域医療体制を守り皆保険制度の盤石化を図るためにも、「プラス改定」は道理であり、必要不可欠と考えている。その実現を強く求める。

 

診療報酬「改定率」とは何か

財務省も診療報酬を純粋な診療対価との理解はしていない

 診療報酬の改定率は、義務的で他動的な、高齢化等に伴う医療費の「自然増」を前提にした、追加財源の投入量の当年度医療費見込みへの対比率である。プラスの改定率は医療従事者の昇給や設備更新など医療の再生産を勘案、考慮し、その保障となるものである。

 しかし、90年代からの強力な医療費抑制策の上に、ここ20年間は累計で▲16%に上るマイナス改定が連続。「自然増」を減額・圧縮する「調整率」として作用してきた。そのため、医療機関経営はコロナ禍前から悪く、コロナ禍で医療体制の脆弱性が顕わになり、多くの知るところとなっている。

 確かに、財務省の英断で多額の補助金が支出され経営的窮地を病院の多くは回避できたが、今後の補助金の継続性は不透明である。それは経営安泰を意味せず、診療所の多くは依然凋落の一途である。

 健保連の松本理事は記者会見で「診療報酬は診療の対価であり、減収を補うのであれば補助金や交付金が大原則だ」と述べているが、これは狭隘で一面的な主張である。

 実は、財務省の主計局主計官の一松旬氏は「診療報酬は、療養の給付に対して厳密な対価性を追求する制度ではなく、インプットだけでなく、ストラクチャーやアウトカムを評価したり、包括評価なども存在したりする比較的弾力的な評価制度と認識している」と見識を示している(MEDIFAXweb 2021.7.20)。診療報酬の歴史的変遷や点数内容を熟知したプロであれば、この理解は自明である。

 

損益率の赤字の急増加と、経営悪化の加速化が進行化

 「損益差額」(=「医業等収益-医業等費用」)を医業等収益で除した「損益率」の変化に、われわれは注目してきたが今回は、より酷い。コロナ関連補助金を除いた内実のデータが示されている。

 2020年度(令和2年度)の「損益率」が「マイナス」(赤字)となった一般診療所は全体の41.1で、その2年前の18年度(改定年度)の28.3%より大幅に増加。16年度が25.7%、14年度が17.8%であり凋落は明瞭である。また、2020年度で損益率の「対前年度増減」で「マイナス」(経営悪化)となった一般診療所は72.5と7割に及び、18年度の55.9%より悪化している。

 一方、歯科診療所は2020年度の「損益率」が「マイナス」(赤字)が18.7%で、18年度の18.0%より微増(16年度12.9%、14年度7.9%)だが、2020年度の損益率「対前年度増減」での「マイナス」(経営悪化)は59.1%と6割に上り、18年度の51.4%より悪化している。

 因みに、一般病院は2020年度の「損益率」が「マイナス」(赤字)は61.7%と6割を超え、損益率「対前年度増減」での「マイナス」(経営悪化)は74.3%と、とても悪い。

 概して、損益率の赤字が一般診療所で急拡大し、一般診療所、歯科診療所ともに経営悪化の加速化が進行したことが示されている。保険診療で医療機関の運営をする「基礎体力」が、どんどんなくなっている状態で、一時的な「カンフル剤」頼みでは早晩立ちいかなくなる。

 

保険収益の下落を人件費圧縮でも補えず

平均値は最頻値と大きく乖離 実像で議論を

 診療報酬の改定率との関係で見るべきものは「保険診療収益」と「費用」、「損益差額」「損益率」である。ただ13年度調査より、①改定年度の単月データ比較から、連続する「事業年度」データ比較に変更され、②事業年度の終月が1カ月でも重なると改定年度データとされ、③個人立の院長給与を含んだまま平均化し「全体」の損益差額が出されていることへの留意が必要となる。

 旧来方法で改定年度対比をすると(別表)、医科診療所(無床)は損益差額が299.8万円減少(▲22.7%)で、「損益率」が7.7%と前回の8.9%より1.2ポイント落ちている。保険診療収益が▲1,084.9万円、医業等費用は受診減で医薬品費が▲382.9万円だが、それ以上に人件費を▲463.8万円と圧縮し、委託費も▲124.8万円と減額したものの、損益率は落ちている。医療は「人件費の塊」であるだけに、これは今後の医療サービスの低下を内包する。

 また歯科診療所の損益差額は14.3万円と僅かに増(1.3%増)となっている。保険診療収益が178.0万円増加など医業等収益を全体で増加させたが、人件費を233.1万円増など医業等費用全体も増加させ、損益差額を維持した。だが、損益率は15.4%から14.8%へ僅かに下げている。

 ただ、保険診療収益が医科診療所で1億1,271.7万円、歯科診療所で5,591.7万円とあるが、H29年度の医科診療所の1施設あたり保険診療費(収益)は中央値で7,455万円、最頻値で5,000万円、同じく歯科診療所の1施設あたりは中央値で3,381万円、最頻値で2,300万円、である(厚労省「医療費の動向」<施設単位でみる医療費等の分布の状況>)。しかも、2020年度の概算医療費は19年度対比で▲1.4兆円であり、より低下している可能性が高い。医療経済実態調査は「平均値」が「代表値」となっているが現実との乖離が大きく、現状はもっと厳しいと考えられる。

 

最頻階級の損益差額は▲12.4% 損益差額「赤字」群は全体の4割超

保険者の財政は潤沢に 

 そこで損益差額の階級別施設数をみると、「最頻」は一般診療所では「▲500万円未満」(全体の24.3%)であり「▲500万円~0円未満」(全体の16.9%)と合わせて損益差額が「マイナス」(赤字)の群が41.2%を占めている。歯科診療所では最頻は「250万円以上~500万円未満」(全体の13.7%)だが、「▲250万円未満」と「▲250万円以上~0円未満」の赤字群が全体の18.8%を占めている。

 最頻の損益差額階級の損益状況も示されているが、一般診療所は損益率は▲12.4%でコロナ関連補助金は殆ど経営改善には寄与していない。「平均値」の損益率7.7%と違い、大幅に逆転している。保険収入の医業収益に占める割合も最頻は82.2%で平均値の84.8%より低い。同様に歯科診療所は損益率9.2%であり、「平均値」の14.8%とはかけ離れている。これが、実像、実相である。

 一方、健保連は令和2年度の経常収支差、つまりは保険料等収入から保険給付等支出の差引は2,952億円(前年比+18.2%)、積立金等は6兆1,235億円であり、協会けんぽは経常収支差6,147億円(同+14.7%)、積立金等4兆103億円、市町村国保も経常収支差3,410億円(同+611.9%)と潤沢である。

 

コロナ禍は依然、収束せず プラス改定を

 コロナ禍の下、開業医はコロナワクチン接種、発熱外来、保健所機能の一部代行など新型コロナの予防、軽症患者への対応、地域の公衆衛生機能を新たに担ってきた。この報道は少なく目立たないものの、これらの地道な医療活動は地域医療を支え、確実に地域医療崩壊を阻止してきた実績がある。

 診療報酬のマイナス改定とは、患者の診療単価の実質減額であり、その多くは医療機関の人件費にシワ寄せがいく。高齢者増の受診で実額の保険収益が自然増分として増えるが、費用も人件費を中心に増える。マイナス改定では保険収益が下方修正となり経営矛盾が酷くなる。コロナ禍の収束は不透明である。われわれは、地域医療を守るため診療報酬のネット・プラス改定を改めて強く求める。

2021年11月29日

 


 

【参考】 * 表・グラフをクリックすると拡大表示

 

20211129danwa-01.png

 

20211129danwa-02.png

* 第20回~第23回医療経済実態調査報告より作成(神奈川県保険医協会政策部)

 

損益率の分布(2020年度)

20211129danwa-03.png

 

20211129danwa-04.png

(注)損益率は、各診療所ごとの「新型コロナウイルス感染症関連の補助金(従業員向け慰労金を除く)」を除いた医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益差額の割合である。

 

損益率対前年度増減の分布(2020年度損益率-2019年度損益率)

20211129danwa-05.png

 

20211129danwa-06.png

(注) 損益率は、各診療所ごとの「新型コロナウイルス感染症関連の補助金(従業員向け慰労金を除く)」を除いた医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益差額の割合である。

 

損益差額階級別施設数の分布(2020年度)

20211129danwa-07.png

 

20211129danwa-08.png

* 第23回医療経済実態調査報告より作成(神奈川県保険医協会政策部)

 

経営悪化に拍車 損益率「赤字」が病院6割超、診療所4割超

地域医療体制を守る診療報酬は「プラス改定」が道理

 

神奈川県保険医協会

政策部長  磯崎 哲男

 


 

 第23回医療経済実態調査が11月24日公表され、「コロナ禍の病院、補助金頼りの黒字確保」(朝日新聞)、「一般病院、6.9%の赤字 コロナ補助金で黒字化、厚労省」(共同通信)、など報じられた。後藤厚労大臣も同日の記者会見で、令和2年度の一般病院の「損益率」は新型コロナ関係の補助金を含めないと令和元年から悪化しており、補助金を含めても黒字は非常に僅かで、医療法人の一般病院は補助金を含めても4割超が赤字と、ポイントを強調している。

 来年4月の診療報酬改定は、この医療経済実態調査を基礎資料とし年末の予算編成で、「改定率」が決まることになる。早くも健保連など保険者側は「診療報酬を引き上げる環境にない」との要請書を厚労省へ提出した。これに財務省も11月初旬からマイナス改定を主張し、足並みを揃えている。

 しかし、現下の状況は一時的な補助金でなんとか命を繋ぎ壊滅的状況を免れたにすぎず、保険診療を安定的に運営していく状況にはない。コロナ禍、全ての医療機関が、その機能と役割に応じ、面として地域医療を担ってきた。われわれは、地域医療体制を守り皆保険制度の盤石化を図るためにも、「プラス改定」は道理であり、必要不可欠と考えている。その実現を強く求める。

 

診療報酬「改定率」とは何か

財務省も診療報酬を純粋な診療対価との理解はしていない

 診療報酬の改定率は、義務的で他動的な、高齢化等に伴う医療費の「自然増」を前提にした、追加財源の投入量の当年度医療費見込みへの対比率である。プラスの改定率は医療従事者の昇給や設備更新など医療の再生産を勘案、考慮し、その保障となるものである。

 しかし、90年代からの強力な医療費抑制策の上に、ここ20年間は累計で▲16%に上るマイナス改定が連続。「自然増」を減額・圧縮する「調整率」として作用してきた。そのため、医療機関経営はコロナ禍前から悪く、コロナ禍で医療体制の脆弱性が顕わになり、多くの知るところとなっている。

 確かに、財務省の英断で多額の補助金が支出され経営的窮地を病院の多くは回避できたが、今後の補助金の継続性は不透明である。それは経営安泰を意味せず、診療所の多くは依然凋落の一途である。

 健保連の松本理事は記者会見で「診療報酬は診療の対価であり、減収を補うのであれば補助金や交付金が大原則だ」と述べているが、これは狭隘で一面的な主張である。

 実は、財務省の主計局主計官の一松旬氏は「診療報酬は、療養の給付に対して厳密な対価性を追求する制度ではなく、インプットだけでなく、ストラクチャーやアウトカムを評価したり、包括評価なども存在したりする比較的弾力的な評価制度と認識している」と見識を示している(MEDIFAXweb 2021.7.20)。診療報酬の歴史的変遷や点数内容を熟知したプロであれば、この理解は自明である。

 

損益率の赤字の急増加と、経営悪化の加速化が進行化

 「損益差額」(=「医業等収益-医業等費用」)を医業等収益で除した「損益率」の変化に、われわれは注目してきたが今回は、より酷い。コロナ関連補助金を除いた内実のデータが示されている。

 2020年度(令和2年度)の「損益率」が「マイナス」(赤字)となった一般診療所は全体の41.1で、その2年前の18年度(改定年度)の28.3%より大幅に増加。16年度が25.7%、14年度が17.8%であり凋落は明瞭である。また、2020年度で損益率の「対前年度増減」で「マイナス」(経営悪化)となった一般診療所は72.5と7割に及び、18年度の55.9%より悪化している。

 一方、歯科診療所は2020年度の「損益率」が「マイナス」(赤字)が18.7%で、18年度の18.0%より微増(16年度12.9%、14年度7.9%)だが、2020年度の損益率「対前年度増減」での「マイナス」(経営悪化)は59.1%と6割に上り、18年度の51.4%より悪化している。

 因みに、一般病院は2020年度の「損益率」が「マイナス」(赤字)は61.7%と6割を超え、損益率「対前年度増減」での「マイナス」(経営悪化)は74.3%と、とても悪い。

 概して、損益率の赤字が一般診療所で急拡大し、一般診療所、歯科診療所ともに経営悪化の加速化が進行したことが示されている。保険診療で医療機関の運営をする「基礎体力」が、どんどんなくなっている状態で、一時的な「カンフル剤」頼みでは早晩立ちいかなくなる。

 

保険収益の下落を人件費圧縮でも補えず

平均値は最頻値と大きく乖離 実像で議論を

 診療報酬の改定率との関係で見るべきものは「保険診療収益」と「費用」、「損益差額」「損益率」である。ただ13年度調査より、①改定年度の単月データ比較から、連続する「事業年度」データ比較に変更され、②事業年度の終月が1カ月でも重なると改定年度データとされ、③個人立の院長給与を含んだまま平均化し「全体」の損益差額が出されていることへの留意が必要となる。

 旧来方法で改定年度対比をすると(別表)、医科診療所(無床)は損益差額が299.8万円減少(▲22.7%)で、「損益率」が7.7%と前回の8.9%より1.2ポイント落ちている。保険診療収益が▲1,084.9万円、医業等費用は受診減で医薬品費が▲382.9万円だが、それ以上に人件費を▲463.8万円と圧縮し、委託費も▲124.8万円と減額したものの、損益率は落ちている。医療は「人件費の塊」であるだけに、これは今後の医療サービスの低下を内包する。

 また歯科診療所の損益差額は14.3万円と僅かに増(1.3%増)となっている。保険診療収益が178.0万円増加など医業等収益を全体で増加させたが、人件費を233.1万円増など医業等費用全体も増加させ、損益差額を維持した。だが、損益率は15.4%から14.8%へ僅かに下げている。

 ただ、保険診療収益が医科診療所で1億1,271.7万円、歯科診療所で5,591.7万円とあるが、H29年度の医科診療所の1施設あたり保険診療費(収益)は中央値で7,455万円、最頻値で5,000万円、同じく歯科診療所の1施設あたりは中央値で3,381万円、最頻値で2,300万円、である(厚労省「医療費の動向」<施設単位でみる医療費等の分布の状況>)。しかも、2020年度の概算医療費は19年度対比で▲1.4兆円であり、より低下している可能性が高い。医療経済実態調査は「平均値」が「代表値」となっているが現実との乖離が大きく、現状はもっと厳しいと考えられる。

 

最頻階級の損益差額は▲12.4% 損益差額「赤字」群は全体の4割超

保険者の財政は潤沢に 

 そこで損益差額の階級別施設数をみると、「最頻」は一般診療所では「▲500万円未満」(全体の24.3%)であり「▲500万円~0円未満」(全体の16.9%)と合わせて損益差額が「マイナス」(赤字)の群が41.2%を占めている。歯科診療所では最頻は「250万円以上~500万円未満」(全体の13.7%)だが、「▲250万円未満」と「▲250万円以上~0円未満」の赤字群が全体の18.8%を占めている。

 最頻の損益差額階級の損益状況も示されているが、一般診療所は損益率は▲12.4%でコロナ関連補助金は殆ど経営改善には寄与していない。「平均値」の損益率7.7%と違い、大幅に逆転している。保険収入の医業収益に占める割合も最頻は82.2%で平均値の84.8%より低い。同様に歯科診療所は損益率9.2%であり、「平均値」の14.8%とはかけ離れている。これが、実像、実相である。

 一方、健保連は令和2年度の経常収支差、つまりは保険料等収入から保険給付等支出の差引は2,952億円(前年比+18.2%)、積立金等は6兆1,235億円であり、協会けんぽは経常収支差6,147億円(同+14.7%)、積立金等4兆103億円、市町村国保も経常収支差3,410億円(同+611.9%)と潤沢である。

 

コロナ禍は依然、収束せず プラス改定を

 コロナ禍の下、開業医はコロナワクチン接種、発熱外来、保健所機能の一部代行など新型コロナの予防、軽症患者への対応、地域の公衆衛生機能を新たに担ってきた。この報道は少なく目立たないものの、これらの地道な医療活動は地域医療を支え、確実に地域医療崩壊を阻止してきた実績がある。

 診療報酬のマイナス改定とは、患者の診療単価の実質減額であり、その多くは医療機関の人件費にシワ寄せがいく。高齢者増の受診で実額の保険収益が自然増分として増えるが、費用も人件費を中心に増える。マイナス改定では保険収益が下方修正となり経営矛盾が酷くなる。コロナ禍の収束は不透明である。われわれは、地域医療を守るため診療報酬のネット・プラス改定を改めて強く求める。

2021年11月29日

 


 

【参考】 * 表・グラフをクリックすると拡大表示

 

20211129danwa-01.png

 

20211129danwa-02.png

* 第20回~第23回医療経済実態調査報告より作成(神奈川県保険医協会政策部)

 

損益率の分布(2020年度)

20211129danwa-03.png

 

20211129danwa-04.png

(注)損益率は、各診療所ごとの「新型コロナウイルス感染症関連の補助金(従業員向け慰労金を除く)」を除いた医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益差額の割合である。

 

損益率対前年度増減の分布(2020年度損益率-2019年度損益率)

20211129danwa-05.png

 

20211129danwa-06.png

(注) 損益率は、各診療所ごとの「新型コロナウイルス感染症関連の補助金(従業員向け慰労金を除く)」を除いた医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益差額の割合である。

 

損益差額階級別施設数の分布(2020年度)

20211129danwa-07.png

 

20211129danwa-08.png

* 第23回医療経済実態調査報告より作成(神奈川県保険医協会政策部)