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2011/2/28 医療運動部会長談話「再診料は『診察料』ではない 中医協のリハビリ議論は、間違っている」
再診料は「診察料」ではない
中医協のリハビリ議論は、間違っている
神奈川県保険医協会
医療運動部会長 野本 哲夫
中医協は2月2日、外来でのリハビリに関し、毎回の診察を要しないとの調査結果をもとに、再診料のリハビリテーション料への包括化が議論に浮上している。
しかし、診療で毎回の「診察」を要すか否かは、本来、再診料の算定とは無関係である。
そもそも、再診料は「外来で2回目以降の診療時に1回毎に算定する点数。基本的な診療行為を含む一連の費用を評価したもの。簡単な検査、処置等の費用が含まれている」と通知で規定されている。つまり再診料の「診」の意味は、医療機関での診療の「診」であり、医師の診察の「診」ではない。実際に厚労省は昨年4月22日の中医協に、再診料は医療従事者の人件費、診察用具、光熱費、施設整備費など人的、物的コストも含むとの資料を提出し、その性格を明確化している。
しかし2月2日の中医協で厚労省は、「外来のリハビリのみ毎回再診をして、診察料を請求していただく」とし、再診料の「診」を2回目以降の医師の診察料と誤解している。しかも、外来リハビリで毎回の診察が必要は3%に過ぎないとの調査結果を示し、勢い余って「外来リハビリの際に毎回医師の診察を求めて再診料を請求するシステムをどのように考えるか」と提起したために更なる混乱が広がっている。
診療とは医師法、医療法などに則り、医師の診察・診断と指示の下、看護師やレントゲン技師などの専門職やスタッフの責任と職分の範囲で業務分担をし、組織的に行われるものである。つまり、診療の際に「診察」がなくとも、医師の包括的指示のもとに前回同一処方の投薬や訪問看護、CT検査など行われているのであり、その際、患者の異変や異常があれば医師の診察がなされ診療内容が変更されることとなるのである。
したがって、診療報酬もこのことを前提に設計がされており、再診料は「診察」を算定の要件とはしていない。2回目以降の「診療」を再診料としている。中医協のこの外来リハビリに関わる再診料の包括化は、巷の「再診料=再・診察料」との誤解、不理解に基づくものであり早期に軌道修正が必要だと考える。
この再診料の包括化は、今後、初診料、再診料などの雲散霧消化や診療科目別の包括点数化などに発展する危険性も高く禍根を残す。つまりは、医療機関の基盤と医療者の技術・労働の経済評価がより一層、低廉で不適正・曖昧なものとなっていくと思われる。
診療報酬点数表と通知の正確な理解に基づく議論を期待したい。
2011年2月28日
再診料は「診察料」ではない
中医協のリハビリ議論は、間違っている
神奈川県保険医協会
医療運動部会長 野本 哲夫
中医協は2月2日、外来でのリハビリに関し、毎回の診察を要しないとの調査結果をもとに、再診料のリハビリテーション料への包括化が議論に浮上している。
しかし、診療で毎回の「診察」を要すか否かは、本来、再診料の算定とは無関係である。
そもそも、再診料は「外来で2回目以降の診療時に1回毎に算定する点数。基本的な診療行為を含む一連の費用を評価したもの。簡単な検査、処置等の費用が含まれている」と通知で規定されている。つまり再診料の「診」の意味は、医療機関での診療の「診」であり、医師の診察の「診」ではない。実際に厚労省は昨年4月22日の中医協に、再診料は医療従事者の人件費、診察用具、光熱費、施設整備費など人的、物的コストも含むとの資料を提出し、その性格を明確化している。
しかし2月2日の中医協で厚労省は、「外来のリハビリのみ毎回再診をして、診察料を請求していただく」とし、再診料の「診」を2回目以降の医師の診察料と誤解している。しかも、外来リハビリで毎回の診察が必要は3%に過ぎないとの調査結果を示し、勢い余って「外来リハビリの際に毎回医師の診察を求めて再診料を請求するシステムをどのように考えるか」と提起したために更なる混乱が広がっている。
診療とは医師法、医療法などに則り、医師の診察・診断と指示の下、看護師やレントゲン技師などの専門職やスタッフの責任と職分の範囲で業務分担をし、組織的に行われるものである。つまり、診療の際に「診察」がなくとも、医師の包括的指示のもとに前回同一処方の投薬や訪問看護、CT検査など行われているのであり、その際、患者の異変や異常があれば医師の診察がなされ診療内容が変更されることとなるのである。
したがって、診療報酬もこのことを前提に設計がされており、再診料は「診察」を算定の要件とはしていない。2回目以降の「診療」を再診料としている。中医協のこの外来リハビリに関わる再診料の包括化は、巷の「再診料=再・診察料」との誤解、不理解に基づくものであり早期に軌道修正が必要だと考える。
この再診料の包括化は、今後、初診料、再診料などの雲散霧消化や診療科目別の包括点数化などに発展する危険性も高く禍根を残す。つまりは、医療機関の基盤と医療者の技術・労働の経済評価がより一層、低廉で不適正・曖昧なものとなっていくと思われる。
診療報酬点数表と通知の正確な理解に基づく議論を期待したい。
2011年2月28日