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要請書「オンライン資格確認に係る『顔認証付きカードリーダー』の申請の取り下げおよび返品等について柔軟に対応することを求めます」を厚労相等に提出しました

神奈川県保険医協会・医療情報部は2021年6月14日、下記の要請書を発表し、厚生労働大臣、社会保険診療報酬支払基金理事長に送付いたしました(PDF版はこちら

  


 

2021年6月14日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

社会保険診療報酬支払基金理事長 神田 裕二 殿

神奈川県保険医協会

医療情報部長 藤田 倫成

 

オンライン資格確認に係る「顔認証付きカードリーダー」の

申請の取り下げおよび返品等について柔軟に対応することを求めます

 

 3月下旬より全国的に本格運用を予定していたオンライン資格確認について、政府は「本格的実施は10月を目途とする」とし、実施の延期を決定しました。延期の要因について厚労省は、▽コロナ禍によるシステム改修、▽半導体不足によるパソコン調達の遅延、▽顔認証付きカードリーダーの生産遅延、▽保険者によるデータ登録の不備―等があったと説明しています。

 オンライン資格確認については、▽医療機関の負担が過大、▽現段階で医療機関側のメリットが見いだせない―など、医療現場では導入に後ろ向きな意見が大半を占めていました。一方で、厚労省や支払基金は医療機関等に対しオンライン資格確認の導入勧奨を推し進めていました。とりわけ、設備の補助金については上限金額の1/2または3/4までの支給だったものを、3月末までに顔認証付きカードリーダーを申請すれば上限まで満額支払うという追加的な財政支援が講じられました。この"経済誘導"によって、短期間で顔認証付きカードリーダーの申請が急増しました。こうした中、開始間際での運用延期は医療現場に混乱と不安を与えています。

 この他にも、政府関連のICT施策は、▽日本年金機構の業務再委託による個人情報流出、▽新型コロナ感染者接触確認アプリ「COCOA」の不具合の長期間放置、▽内閣サイバーセキュリティセンターの情報システムのデータ流出―など、問題が続出しています。とりわけ、新型コロナワクチンの予約システムの不具合は、医療現場および国民に大きな混乱と負担、不安を与えています。こうした状況の中、オンライン資格確認についても果たして10月に本格運用できるのか、甚だ疑問を感じます。事実、当会には顔認証付きカードリーダーを申請・受領した医療機関から「カードリーダーの申請を取り下げたい」、「カードリーダーを返品したい」など、オンライン資格確認の導入を見合わせたいという相談が寄せられています。

 まずは足元のデジタル技術の向上や個人情報保護策の強化を整備することが最優先であり、オンライン資格確認についても安全・確実なシステムおよび運用体制が構築されない限り、運用開始に踏み切るべきではないと考えます。

 つきましては、以下の事項について要望いたします。

 

  • 顔認証付きカードリーダーの申請の取り下げ、同カードリーダーの返品を希望する医療機関に対して、当該医療機関への費用負担を発生させないよう対応すること
  • 安全・確実なシステムおよび運用体制の構築を最優先し、オンライン資格確認の本格運用を無期限で延期すること、またゼロベースで計画を再考すること
  • 上記の2点について医療機関等および国民に広く周知すること

 

以 上

 

神奈川県保険医協会・医療情報部は2021年6月14日、下記の要請書を発表し、厚生労働大臣、社会保険診療報酬支払基金理事長に送付いたしました(PDF版はこちら

  


 

2021年6月14日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

社会保険診療報酬支払基金理事長 神田 裕二 殿

神奈川県保険医協会

医療情報部長 藤田 倫成

 

オンライン資格確認に係る「顔認証付きカードリーダー」の

申請の取り下げおよび返品等について柔軟に対応することを求めます

 

 3月下旬より全国的に本格運用を予定していたオンライン資格確認について、政府は「本格的実施は10月を目途とする」とし、実施の延期を決定しました。延期の要因について厚労省は、▽コロナ禍によるシステム改修、▽半導体不足によるパソコン調達の遅延、▽顔認証付きカードリーダーの生産遅延、▽保険者によるデータ登録の不備―等があったと説明しています。

 オンライン資格確認については、▽医療機関の負担が過大、▽現段階で医療機関側のメリットが見いだせない―など、医療現場では導入に後ろ向きな意見が大半を占めていました。一方で、厚労省や支払基金は医療機関等に対しオンライン資格確認の導入勧奨を推し進めていました。とりわけ、設備の補助金については上限金額の1/2または3/4までの支給だったものを、3月末までに顔認証付きカードリーダーを申請すれば上限まで満額支払うという追加的な財政支援が講じられました。この"経済誘導"によって、短期間で顔認証付きカードリーダーの申請が急増しました。こうした中、開始間際での運用延期は医療現場に混乱と不安を与えています。

 この他にも、政府関連のICT施策は、▽日本年金機構の業務再委託による個人情報流出、▽新型コロナ感染者接触確認アプリ「COCOA」の不具合の長期間放置、▽内閣サイバーセキュリティセンターの情報システムのデータ流出―など、問題が続出しています。とりわけ、新型コロナワクチンの予約システムの不具合は、医療現場および国民に大きな混乱と負担、不安を与えています。こうした状況の中、オンライン資格確認についても果たして10月に本格運用できるのか、甚だ疑問を感じます。事実、当会には顔認証付きカードリーダーを申請・受領した医療機関から「カードリーダーの申請を取り下げたい」、「カードリーダーを返品したい」など、オンライン資格確認の導入を見合わせたいという相談が寄せられています。

 まずは足元のデジタル技術の向上や個人情報保護策の強化を整備することが最優先であり、オンライン資格確認についても安全・確実なシステムおよび運用体制が構築されない限り、運用開始に踏み切るべきではないと考えます。

 つきましては、以下の事項について要望いたします。

 

  • 顔認証付きカードリーダーの申請の取り下げ、同カードリーダーの返品を希望する医療機関に対して、当該医療機関への費用負担を発生させないよう対応すること
  • 安全・確実なシステムおよび運用体制の構築を最優先し、オンライン資格確認の本格運用を無期限で延期すること、またゼロベースで計画を再考すること
  • 上記の2点について医療機関等および国民に広く周知すること

 

以 上